運命の歯車 --vol.1--

「あ~っ!!!遅刻だぁ~!!」

時計を見て飛び起きた。

階段を下りて行き、リビングへ急いだ。

「お母さん!!なんで起こしてくんなかったの?!」

「起こしたわよ!それなのに春香(はるか)が起きないからほっといたのよ!!」

「もうっ!!最悪!!」

ご飯をほおばって家を出た。

あたしの名前は青葉春香(あおば はるか)。

今年中3の元気なオンナノコ。

今日遅刻寸前でダッシュしてるけど、これでも生徒会の委員長。

ただちょっと勉強が出来るってだけで推薦されて、強引に決められた。

校門が見えてきた。

時計を見ると、あと2分残っている。

「おっしゃ!!」

今日はギリギリセーフだ。

校門の前にはベンツやらジャガーやら色々な高級車がとまっている。

あたしが通っている学校は金持ちが多い。

大半のやつは、はなもちならない人間ばっかり。

その中でもあたしが一番大ッ嫌いなのが・・・

「おい!!葉山春香!!邪魔だどけ!!」

こ・い・つ!!!!!

言葉に出来ないくらいむかつく!!!

「うるせぇ!!このバカ西園寺(さいおんじ)!!金持ちって気取ってんじゃねェ~!!」

こいつは西園寺大和(さいおんじ やまと)。

西園寺グループの子息だ。

何かといってはあたしにつっかかってくる。

これだから金持ちは嫌だ!!

「遅刻すんぞ!!バカ西園寺!!」

そう言って校舎へ入って行った。

HRのベルがなった。

しまった!!

また遅刻してしまった!!

教室へ急いでいった。

「センセー!!ごめんなさい!!!」

「こらっ!!青葉!!お前は今度遅刻したらただじゃおかないと言ったはずだ!!」

「ごめんなさ~いw」

「ったく!!早く席に着け。」

HRが終わり一時間目が始まった。

授業中はずっと寝てたから授業の内容なんかまったく覚えてない。

休憩時間に入った。

「お知らせします。3-5青葉春香。青葉春香。至急職員室に来なさい。」

あ~あ・・・

また遅刻の事で説教されるよ・・・

重い気持ちで職員室へ行った。

先生は顔が青ざめていた。

「青葉・・・ちょっといいか・・・」

そういうと、教材室にあたしを連れて行った。

「落ち着けよ・・・」

先生は慎重にそういった。

「なんなんですか?」

「お前の家族が交通事故にあって・・・全員亡くなられたそうだ・・・」



「先生、何の冗談?」

「冗談じゃないんだ。今すぐ家に帰って親族の方と病院へ行きなさい。」

家族がみんな死んだ?

お姉ちゃんも、お母さんも、お父さんも?

そんなわけない。

今日の朝話してきたばっかりじゃないか。

そんなはず・・・  --続く--


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